cd8447f5b41cfcd8

いつになるかはまだ判りませんが、「沈黙の艦隊」シーズン2の制作が決まったとの情報を得ました。
シーズン1ラストで、東京湾大海戦を凌いだ最新鋭原子力潜水艦、独立国「やまと」は相模トラフから颯爽と太平洋に出て、国連総会出席を果たすべくニューヨークを目指します!

今の日本の置かれた安全保障状況を的確に表現しているという点で、とても優れた軍事ドラマと言えるでしょう!
印象に残った部分を振り返ってみます。

日米安保のもとで日本国民には隠密裏に、日本政府が制作費と乗員を提供し実現させた最新鋭原子力潜水艦シーバットがアメリカ第7艦隊所属となり、日本最初の原潜として今後の安全保障の要の第一歩になろうとしていました。

しかし、シーバットの艦長、海江田四郎海上自衛隊2等海佐(中佐)と乗員、そして監視役のアメリカ海軍大佐を乗せたまま、フィリピン海で反乱を起こし艦隊を離脱、アメリカ第7艦隊と対峙します。

vz8

「グッドモーニングUSA、本艦は原子力にて航行中」と、わざわざ浮上して世界で初めての原潜ノーチラス号の言葉を引用して、その存在を鼓舞して見せるのです。

20231025-OYT8I50024-1

更に、「第7艦隊全艦艇に告ぐ、本艦の発射管にはトマホーク対艦ミサイルが既に装填されている。弾頭は通常にあらず、繰り返す、弾頭は通常にあらず」と核弾頭保有を示唆します。

そして、シーバットは第7艦隊に次のように要求します。
「全艦艇はただちに停船せよ、停船しない場合、全艦に甚大な被害が及ぶことを警告する」と。

これを苦々しく見ていた米海軍大佐が言います。
「核を持っていても撃てるはずがない」と。
海江田艦長が応えます。
「そう、核など無用の兵器、保有しているどの国も撃てません。威嚇においてのみ最も効果を発揮するのです。」
誰もが納得する応えです。

第7艦隊司令官のもとに総司令官からシーバットは絶対に核を積んでいないとの連絡が入ります。
第7艦隊司令官は「僅かでも可能性があれば〜?」と問いかけますが、総司令官は「絶対にない」と念を押します。
第7艦隊司令官は尚も「もしもの場合、第7艦隊全艦艇が一瞬にして全滅します」と心情を吐露します。
それに対して総司令官は、「我々はアメリカなのだ」と弱みを見せられないことをキッパリと伝えます。
第7艦隊司令官は納得せざるを得ませんでした。

そして、空母ロナルド・レーガンは20ノットでシーバットとの衝突コースを突き進みます。
シーバットは5ノットでゆっくりと動き泰然としています。

unnamed

シーバットとロナルド・レーガンが衝突限界距離に達したとき第7艦隊司令官が動きます。
エンジンを停止し、舵をいっぱいに切り衝突を回避せよと。

衝突は辛うじて免れました。

対峙した第7艦隊にシーバットが勝利した瞬間でした。

海江田艦長はアメリカに語り始めます。

A-A

「我々は自らをも滅ぼす核を持ちながら撃つこともできず睨み合っている。」
「核保有国が互いに牽制し合うことが戦争の抑止につながるとアメリカは言った。」
「たかが半径5キロのこの海域に私は世界の現実を詰め込んだ。」
「あなた方はこの現実を見つめなければならない。」
『我々は独立を宣言する。』
『我々は今ここに、独立国「やまと」の建国を宣言する』

このようにして、最新鋭原子力潜水艦シーバットは国家「やまと」として独立国宣言をしました。

その後、アメリカは「やまと」を沈めようと何度も攻撃を加えますが、その度に海江田艦長の神がかりな操艦によって魚雷を使わずにすべて排除されて行くのでした。

総理、防衛相、外相、官房長官の4名が対策を話し合います。
総理は「やまと」を孤立させ核を使うことのないように防衛出動をして「やまと」を護ったらどうだろうかと提案します。

F5VmTCKaQAAx0-G

防衛相は「アメリカがシーバットの核保有を捨て切れていないなら、そこを盾に防衛出動を正当化できるかもしれない」と肯定的な意見を述べます。

外相は、「防衛相までそんなことを言うのか」と反対し、相当なリスクがともなうこと、綱渡り的な外交となることを強調します。

官房長官は、「日本はずっとアメリカに頭を下げてきた、またこれから100年、顔色を窺いながらヘコヘコして行くのか、それではこの国は永遠に変わらない」と辟易したように吐き捨てます。

官房長官が話を継ぎます。
「ここにいる人は国を思っている。その気持ちは変わらない筈だ。」と4つのグラスに日本酒を注ぎテーブルに並べます。
「我々に必要なのは覚悟です。」と付け加えながら官房長官は一気にグラスの酒を飲み干します。
それに続いて総理が決心したように頷き、飲み干します。
防衛相も続きます。
外相はドクターストップでアルコールはダメということでジェスチャーだけの参加となりました。

いずれにしても防衛出動が決まった瞬間でした。
主要4閣僚の意思統一ができ、一つの船で荒海に漕ぎ出す覚悟ができたのでした。

このシーンは、終戦以来のGHQの呪いが溶けたような爽快感がありました。
日本の今後100年をアメリカに隷属した自治州とするのか、主権の存する独立国として自立するのかの境目に立ち、自立の道を選択した記念すべき日なのです!

まだまだ特筆すべき内容はあります。
国民に事実を伝えない大手マスメディアに一矢報いることも忘れていません。

日本の安全保障と真の主権国家とはどういう存在かを認識させるに十分な内容の映画でした。
ゴジラー1.0もそうですが、日本の今を痛烈に批判し、真の独立国日本を勝ち得るために奮闘せよ、と尻を叩かれている思いがします!