皆さんは、原作を本で読んでから、その映画なりテレビを見たことがきっとあるでしょう。どうでしょうか、その内容に満足できましたか?
私は何本かそのような映画を見ていますが満足できたことは一度もないのです。原作が素晴らしく、映画が劣るというようなことではないのです。
読んだ文章には10人十色の想像力が働いています。原作の中に10人十色の物語があるということを意味します。それに対して映像は直接的であり、ひとつの物語が厳然として存在しています。そういう意味で映画は小説を超えることはできないと私は思っています。原作に対して映画は物足りなさを感じてしまう。特性上、仕方のないことです。
そんなことを題材に「詩」を書いてみましたのでご紹介します!
hana

小説と映画は
どこがどう違うのだろうか

小説は間接的であり
映画は直接的である

映画は目で見てストレートに感じているが
小説は読んで想像力で感じている

原作を知らずして見る映画は
感動そのものであるが
原作を既に読み知っている映画には
言い知れぬ物足りなさを感じてしまう
それだけ小説には
逞しい想像力が働いている

人間の想像力は無限である
故に一人一人が描く想像の世界は
10人十色であり
読手の数だけの
想像で膨らんだ物語があるのだ
そういう意味で
映画は小説を超えることはできない

極端な言い方をすれば
映画には一つのはっきりとした物語しかないのだ

映像とは想像力を奪ってしまうほど強烈なものである
それだけ作品の善し悪しがストレートに出てしまう
製作者にとってはきっとそれが大変な恐怖なのだ

小説も映画も
人間に感動を与える芸術であり
もとより優劣があるわけではない

いずれも人間が創り出した
心の叫びである