東京大学経済学部卒業、ワシントンD.Cに30年以上居住し、アメリカ政治の隅から隅まで知り尽くした国際政治アナリストの伊藤貫氏の様々な提言の口述筆記シリーズです。
今夜は「日本を滅ぼす3つの巨大な嘘!=チャンネル桜、伊藤貫「真剣な雑談」=NO.3です。

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次に、Double containment(ダブル コンテインメント)について話します。

先ほど言いましたようにアメリカは1942年から、もっと正直に言えば、キッシンャーの論文によれば、アメリカ政府は1941年8月末か9月に=すなわち真珠湾攻撃の3ヶ月か4ヶ月前に=日米戦争の後は、日本を二度と自主防衛できない国にすることを決めていたということで、要するに戦争が始まる前から、アメリカは日本を叩きのめして、二度と自主防衛出来ないようにしようと決めていたのです。

アメリカはそもそも、日本を日米戦争に追い込むと決めていたのは1941年5月か6月です。
ハルノートは5月か6月にできているのです。
1941年5月か6月の時点でルーズベルト政権は日本を戦争に追い込むということを決めていましたから、8月末か9月に、戦争で日本を叩きのめした後は、日本を永遠に自主防衛できない国にすると、永遠にアメリカの属国にするということをルーズベルト政権が決めていても不思議ではない訳です。

外交史の専門家のマイケル・シェリーという人がPrepiering for the Next War(プリピアリング フォー ザ ネクストウォー:次の戦争の準備)という本を書いていまして、この本がどういうものかと言うと、日米戦争の真っ最中からアメリカは、この戦争の戦後の次の戦争(第二次世界大戦の次の戦争)にどう対処するかという、次の戦争のことまで準備していたということを書いています。

このマイケル・シェリーによると、1942年からアメリカ政府は、戦争後の日本人には永久に自主防衛能力を持たせない、日本が二度と独立した外交政策を実行できない国に作り替えると1942年の段階で既にそのように決めていたそうです。

Double containment(ダブル コンテインメント)というのは、要するに日本が二度と独立しないように押さえつけて置く政策なのですが、これは1945年9月にマッカーサーがに乗り込んで来て決めてことではなく、非常にショッキングなことに、アメリカ政府は1941年8月末か9月には、もう決めていたことなのです。

これがDouble containment(ダブル コンテインメント)政策なのです。

僕の大好きなシカゴ大学のジョン・ミアシャイマー教授は、彼は有名な国際政治学者ですが、現在の日本は疑似独立国に過ぎないと言っており、アメリカ軍が日本を占領し続けているから日本は独立した外交政策、軍事政策を実行する能力を持てないようになっている。
日本は潜在的には大国としての安全保障政策を実行する能力があるかもしれないが、その能力は日本においてアメリカが強力な軍事的プレゼンスを維持しているために、発揮できないようになっている、と言っています。

いわゆるDouble containment(ダブル コンテインメント)、二重に封じ込められているのです。

「A Preponderance of POWER」を書いたメルヴィン・レフラー(Melvyn P.Leffler)によると、1945年、1946年のアメリカ軍と国務省の態度というのは、非常に分かりやすい言葉で表現されており、それは何かと言うと、ドイツに関してはキープ アメリカンズ イン ジャーマンズ ダウン アンド ロシアンズ アウト!要するにアメリカがドイツに入り込んで、アメリカがドイツを占領し続けて、ドイツが二度と立ち上がれないようにして、キープ ジャーマンズ ダウンということでドイツを押さえつけておいて、ドイツ一帯にロシアが入れないようにしておく、ということを書いています。

日本に関しては、同じように、キープ アメリカンズ イン つまりアメリカが日本を占領し続け、ジャパニーズ ダウン そして二度と立ち上がれないように、二度と独立出来ないようにする、そしてロシアンズ アウトということで、東アジア地域からロシアを排斥する、ということを書いています。

レフラーによれば、このやり方がアメリカの根本であった言います。
そうするとDouble containment(ダブル コンテインメント)にぴったり合うことになります。
要するに、日本を押さえつけて置いて、二度と自主防衛能力を持てないようにして、ロシアを東アジアから排除しておく、現在は中国を東アジアで覇権を握れないようにしておく、という政策な訳です。
日本が自主防衛能力を持つのを阻止してきたのは当たり前のことなのです。

ただ問題は、現在の日本は、中国、北朝鮮、ロシアの8千発の水爆弾頭に包囲された状態で、アメリカは日本を守るために中国、北朝鮮、ロシアと本格的な戦争をするつもりはないということです。
何故ならば、これら三ヶ国の核ミサイルがアメリカに飛んでくるのが嫌だからです。

アメリカにキープ ジャパニーズ ダウンと自主防衛能力を剥奪されているから大丈夫だと、アメリカに任せておけばいいと言えるかというと、勿論それは言えない訳です。
どんどん日本は危険な立場になっています。

だからDouble containment(ダブル コンテインメント)政策というのは、現在の日本にとって明らかにマイナスになっているのです。

Double containment(ダブル コンテインメント)政策を日本が受け入れて、それを続けるなら、日本は滅びることになります。

MITのジョン・ダワーという日本の専門家がいて、彼の「敗北を抱きしめて」という題名だったと思いますが、かなり売れた本ですが、彼も次のように言っています。
1951年のサンフランシスコ講和条約は、日本封じ込めの体制である、この体制は日本に対する拘束衣として機能してきた。日本におけるアメリカ軍の駐留は、万が一日本が自立しようと試みた場合に備えて、日本に対するアメリカの管理を確実にするために継続されている、ということです。

ジョン・ダワーは、東西冷戦の終結後、日本の対米従属状態は軽減されたのではなく、むしろより一層進化し深くなっている。
そして、日本の平和はアメリカの軍事マシーンの歯車の一環として運営されており、日本はアメリカの属国となったことによって、自分たちの政治指導力を発揮する能力を失ったのである。このような明らかに不均衡な日米関係に対して、多くの日本人は、貴重な日米関係を維持するためには、日本がワシントンの命令に従うのは「お安い御用」だと、言っている。
日本人はついに、外交問題に関して、自分で語る能力すら失った状態である、と言っています。

自国の外交に対して自国の言葉で語れない、何にも言えない、何にも考えないでアメリカの言った通りに真似しているだけと、そういう惨めな状態にあることを言っているのです。

これがDouble containment(ダブル コンテインメント)の結果なのです。

オーストラリア国立大学の日本専門家であるダバン・マコーマック教授によると、サンフランシスコ講和条約以降の日本は、実質的な外交と防衛政策を行うことを許されておらず、アメリカの信託統治領である。従ってアメリカによる日本の占領は、現在でも終わっておらず、このような主権侵害の状態に対して、侮辱だと腹を立てている日本人は非常に少ない。
日本はアメリカに対して、喜んで属国の役割を担っている。
日本人は、政治家と官僚はナショナリズムを振りかざしながら、実際にはアメリカの国益に日本を一体化させている。そのことによってアメリカに奉仕している。
日本の政府高官の忠誠心は、基本的にアメリカ政府に向けられている。
日本は、独立した主権国家であるように見えるが、実際には自国の国益よりもアメリカの利益を優先する隷属国の状態を選択して来たのだ。
このように言っています。

そのようなアメリカに従属することを喜んでいる日本の指導者たちが、ナショナリストを自称するという倒錯現象があります。
しかもアメリカ政府の対日政策担当官(ジャパンハンド)には、日本人に対する蔑視があるのです。
ジャパンハンドにとって、日本人というのは無条件にアメリカに服従する人種と思われています。
しかも日本人の側から進んで対米服従を申し出るのが日本人なのです。

冷戦後の日本政府は、日本の対米隷属性を進化拡大するために働いて来ました。
21世紀の初期に防衛省の事務次官だった守屋武昌は、日米同盟とは名ばかりで実態はなく、これは実際にはアメリカが決めていることだけである、と言っています。
要するにアメリカの言うことだけを聞いているだけなのです。

村田良平回想録の下巻には、日米安保体制の本質は、アメリカによる日本の占領継続である。
安保条約によるアメリカの日本防衛義務は、条約の主眼ではなかった。
ことに沖縄には米軍が日本本土への攻撃、東アジアの制空権、制海権を握るために巨大な基地を建設したのである。
これら沖縄基地の主目的は日本の防衛にあったのではない。
このようにあります。
つまり村田良平さんによると沖縄の米軍基地は、いざとなったら日本を攻撃するために作られたということです。
更に続けます。日本の領土も自衛隊もアメリカによっていいように利用され続けている。
しかし、日本人は戦争で日本に原爆投下して日本人を殺戮したアメリカ人が日本の領土を占領し続け、我が物顔でいることに何ら不思議だと思わない、何ら疑いを持たない。
アメリカは北朝鮮に核ミサイルを持たせるという態度によって、実質的には既に日本を裏切っている。
しかも日本を裏切っておきながら、日本に対して有効であるか無効であるか分りもしない非常に高額のミサイル防衛システムを購入させている。
日本の核抑止力に関して、アメリカ政府は、中国、ロシア両国との談合を行い、その結果、東アジアにおいて、日本の核保有だけは絶対に認めない、という態度である。

つまり駐米大使だった村田良平さんによると、アメリカ政府は中国、ロシアと談合していて、東アジアにおいて日本人にだけは核を持たせないようにしようと、北朝鮮が核ミサイルをどれだけ持っても日本人にだけは核を持たせないようにしようということなのです。

アメリカ政府が日米同盟のコミットメントを突然、実質上骨抜きにする可能性は常に存在している、とも述べています。

外務省の事務次官を務めた村田良平さんが、次のようにも書いています。
外務省の職員は、アメリカに洗脳されており、自分たちが洗脳されていることを意識していない。

これらが村田良平回想録の第13章に書いてあることです。
皆さん是非、この13章の50ページは読んで下さい。
個人的には、アメリカの国務省、CIA、ペンタゴンの事務次官補とか事務次官補代理、日本で言うと局長、局次長レベルの人間と話すと、彼らは日米同盟というのは、日本が決して自主防衛能力を持たせないように出来ている。もしくは日本に自主防衛能力を持たせないように日米同盟を維持している。
そのように彼らは正直に言います。

例えばクリントン政権時代に国務省の日本部長をやっていたポール・ディアラ中佐は、僕に対して、アメリカが冷戦後も日米同盟を維持してきた最大の理由は、日本を独立させないことにある。
アメリカは、日本が自主防衛能力を持つことを許さない。例え、今後、中国や北朝鮮が核ミサイルを増産したとしても、日本にだけは核保有を認めない。
このようにポール・ディアラ中佐は言っています。

僕は彼に、日本に核を待たせないと言うなら、いざという時にアメリカ大統領が北朝鮮、中国、ロシアと日本を守るために戦う用意があるのか?と尋ねると、彼は分からない、と言いました。
勿論、彼の階級で分かる訳もないのですが、CIAにしても国務省にしても事務次官補とか事務次官補代理レベルの人たちは正直にアメリカ大統領は、そんなことはやらないだろうと答えます。
そんなことをやればアメリカ人が何千万人いや1億人も死ぬことになるので、そんなことはやらないだろうというのです。

アメリカ海兵隊の総指揮官であったヘンリー・スタックポール少将が、日米同盟は瓶の蓋だという名言を吐いています。日本を押さえつけておくための蓋として機能しているということです。

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如何に日米同盟が「瓶の蓋」であるといことが理解できる内容です。
占領軍憲法と日米同盟は正に、Double containment(ダブル コンテインメント)で二重封じ込め政策なのです!

続きはまた後日!
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<参考サイト:【伊藤貫の真剣な雑談】第8回「日本を滅ぼす3つの巨大な嘘」[桜R4/8/6]>