田植えが終わったばかりの用水路の畦道を
三角網を抱えて歩く
雑魚のいそうな
小さな堰に網を仕掛ける
１０メートルほど手前から
棒切れで水面を叩き
雑魚を網に追う
急いで
底を掬い取るように網を回す
捕れた捕れた
フナに雷魚
ヤゴにザリガニ
小さな水辺の生き物が
団子になって
網の底でトグロを巻いている
夕焼けを背にして
得意な顔の我がいる
あれから何年経ったのだろうか
古き良き時代は二度と戻らない
田んぼの畦道は
コンクリートに変わり
用水路にはヘドロが堆積している
仕方ないと諦めてなるものか
新たな良き時代を生きるため
残る大切な自然を大事にしたい
また５月の夕日を浴びながら
満面の笑みを
湛えることができるように
＜郷愁＞
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