3a02d1b8.jpgプロフィールの趣味に書かなかったが、釣りも大変好きである。行きたくなったときには1人でも泊りがけで出掛けたものだ。
私の釣りの原点は父とのハゼ釣りである。幼き日の長閑な情景として心に焼き付いている。
幼き頃の住まいから、そう遠くないところに海があり、干潟があった。干潮時は完全に海水が引いてしまい、カニやゴカイなどが蠢いていた。その子ガニやゴカイを捕ってハゼ釣りの餌とした。

引き潮から満ち潮に動くときが釣り時となる。陸地となっていた干潟が時間とともに海水に満たされて行く。
3本繋ぎの2間半の竹ざおにテグスと錘、ハリスを付けただけのシンプルな仕掛けである。それに干潟で捕ったゴカイや子ガニを付けて底釣りする。グググゥといっきに竿を絞る手ごたえ。堪らない感触である。力任せに竿を上げると20Cmくらいのダボハゼが勢いよくあがってくる。
40年以上前、遠い日の幼き夢の情景である。
今はと言えば・・・・!夢の干潟はもう影も形もない。
外海から数百メーターしか離れていない、古の干潟には、新興住宅が甍を並べている。私には奇異に思えてならない。いくら狭い日本とはいえ、地盤の弱い干潟を埋め立てて家を作ることはあるまいに!寄せては返す波のように、干満の潮の織り成す造形美をいつまでも愛で、そしてそこに遊べるなら今生の幸せである。時として人間はどうしようもない過ちを経済効果のもとに正当化し実行してしまう。恐ろしいことである。
40年前の幼き夢の情景は2度と帰らない!
「バカヤロウ..........!」