
四季の中では一番好きな星空である。
南東には全天1の輝星、オオイヌ座「狼星シリウス」が青白く煌々と輝く。
更に東側にはコイヌ座「プロキオン」が太陽のようにオレンジ色に輝いている。
そして20時頃に南中しているオリオン座「ベテルギュース」が「シリウス、プロキオン」と冬の大三角を形作っている。
「ベテルギュース」の対角線上には青白く「リゲル」が輝き色の対比を際立たせている。
その真ん中に印象的なオリオンの三ツ星があり、その最初の星に縦に小三ツ星が並び、そこには全天1の華やかなショーを繰りひろげているオリオン大星雲「M42」がある。
望遠鏡ではこの世のものとは思えないカラフルな星雲ショーを見せてくれる。
ピンク色の靄の中心には「トラペジューム」という4個の生まれたばかりの星がある。何とも表現できない神秘的な光景なのだ。
オリオン座の西よりには「ヒアデス星団」が「アルデバラン」を従えてオウシ座を形成している。ここには平安時代から親しみのある「昴」がチカチカと眼を射るように瞬いている。「プレアデス星団」というが、そのうちの7個の明るい星が見えている。自分が星に興味を持ったのは、この「昴」を幼少のころに見たことによる。チカチカがあまりにも印象的だった。
天頂には5角形が印象的に輝いている。ギョシャ座と「カペラ」である。
その東よりにフタゴ座の「カストル」と「ポルックス」が仲良く輝いている。
北極星を取り巻く周極星はいつもと変わらない。
今はカシオペアのWが美しい。
ここからペルセウス座よりには散開星団「hχ=エイチ・カイ」がある。
望遠鏡視野いっぱいに広がる星々の集積であり、肉眼では見えない夜空の神秘を垣間見せる。
フタゴ座とコイヌ座の中間に土星が0等星でひときわ明るく見える。望遠鏡では美しい輪をみることができる。
夜空には肉眼で勘定できる星が2000個はあるが、望遠鏡で見ても、どれもこれも点にしか見えないのだ。
それだけ遠く離れているのだが、太陽系の惑星、それも土星までは、望遠鏡では外に飛び出して大きく見える。
土星までは12億キロ、それでも宇宙では無いに等しい距離である。宇宙は無限ではないが広大で計り知れないものである。
そこにロマンを感じる人間は、やはり素晴らしい存在で、捨てたものではない。
挿入写真はHST( Hubble Space Telescope)ハッブル宇宙望遠鏡による土星の画像である。