アランドロンの「刑事物語」というドラマをＮＨＫＢＳ２が１日ずつ３日間３話完結で放映した。２：００からなので、夜中に強い人でないと見ることができない。１本１時間３０分近いので映画を３本見た感覚である。本当に久しぶりに現在のアランドロンを見た。いい歳を重ねてるな、それが第一印象である。きっと６０代後半から７０歳くらいではなかろうか？と思うのだが、まだまだ若く見えて、本当の歳はわからない。
男としてのかっこ良さは相変わらずである。
俳優は羨ましいな、と思う。それは、若いころから現在までの自分の人生をスクリーンを通して見ることができる。
「太陽がいっぱい」の若々しい彼も、現在の年輪を重ねた燻銀の彼も、１日のうちに見ることもできるのだ。一般の人にはない役得だ。
マルセイユの海が似合う、取り巻く女性との関りにロマンがある、老獪な刑事役がまた似合う。嫌味がまったくなく、物語に引き込まれて行く。
男としてこうありたいな、という刑事を見事に演じている。
昔の彼はキザに感じたものだが、今の彼にはそれがない。
歳を重ねる度に、人間は穏やかになる。そう感じさせるのに十分なアランドロンの今である。
