ac66432b.JPGこれまでどのような趣向で音楽を聴いてきたのだろう、と振り返ってみた。
積極的に音楽を聴きだした(この場合、レコードのことをいう)のは、小学校の6年生12歳からである。加山雄三が「君といつまでも」を出した年、昭和40年である。初めて自分で買ったレコードでもある。330円だった。加山雄三のシングルレコードは、きっと半分くらいは持っていると思う。人気は気紛れ、中学2年の頃、加山雄三の爆発的な人気も陰りを見せ始めた。

中学に入ってからはクラシックがメインとなる。たまに加山雄三を聴くというパターンである。クラシックで最初に買ったレコードはビゼーの「組曲アルルの女」だったと思う。誰々の作曲家に凝る、ということはなかった。この頃は組曲の中の曲を買うことが多かった。グリーグのペールギュント組曲から、「朝」とか「ソルベイグの歌」とか!
シベリウス「フィンランディア」スメタナ「モルダウ」、交響詩もよく聴いた。上げれば100以上にはなってしまう。交響曲は「ベートーヴェン、モーツアルト、シューベルト、ドヴォルザーク、チャイコフスキー、ショスタコビッチ」等そんなに多くの作曲家の曲は聴いていないが曲数は多く持っている。最後は、バロックである。一番レコードを持っているかもしれない。何といってもビィバルディーの「和声とインベンションの試み=和声と創意への工夫=いろいろな題名訳がある」その1番から4番が、皆さんよくご存知の「四季」である。社会人になってからは、積極的に聴くことはなくなってしまったが、聴けばじっくり聴いてしまうのがクラシックだ。高校から、クラシックと平行して洋楽や日本のニューミュージックを聴くようになる。洋楽はビートルズに熱中した年代より若いので、私の場合はS&G(サイモンとガーファンクル)である。1970年代だ。「明日にかける橋」「コンドルは飛んで行く」その他印象深い曲が多々ある。ビートルズも社会人になってからよく聴くようになった。そして、忘れられないのが17歳のときに出会った「小椋 佳」の「彷徨」のアルバムである。すっかり虜になってしまった。その他、フォークソングも好きだった。どうしてもダメなのは、激しいロックである。ロックは歌う音楽ではないと思っている。踊る音楽だ。
人間とは、素晴らしい感性を持っている動物である。心を震わす音を創ることができるのだから!

「交響曲」
チャイコフスキーの第四番交響曲が
ファンファーレを高らかに奏でる中
夏の花火はカラフルに
次から次へと夜空を染めて美しい

何年前の映画だろう
無骨なチャイコフスキーの
人生物語としては
派手なオープニングであった

目には目を歯には歯を
鬱の嵐に心の船が悲鳴を上げる時
竜巻のような第四番は
嵐と戦い航路を開く

この物悲しげな
激しい情熱の響きは
何物にも喩えようはないが
紛れもなくチャイコフスキーが
人間が成し得た業である

ショスタコビッチの第五番交響曲が
ファンファーレを高らかに奏でる中
ロシアの広大な大地に
砲声が鈍く響きわたる

何年前の映画だろう
ロシア革命には
正にこの革命交響曲が相応しい

それはショーロホフが綴った
壮大な静かなるドンの物語
赤軍と白軍の間で
自分の進むべき道を
見出せない主人公を
ボルシェビキに導いて行くようだ

この力強い荘厳な響きは
何物にも喩えようはないが
紛れもなくショスタコビッチが
人間が成し得た業である