f6f884f7.jpg双子のパラドックスという言葉を聞いたことがあるだろうか?もし光と同じ速度で宇宙を旅することができたなら?誰もが一度は夢として思うことかもしれない。しかし、現実の世界として、もし光速で本当に旅することができたなら、大変なことになる。

時間のローレンツ収縮というのだが、もし、ここに双子がいて、その一人だけが光速の宇宙船に乗って壮大な宇宙の旅に出たとしよう。25年もすれば銀河系の中心部まで行くことができる。実際は、中心部までの半分の距離で減速を開始しないと中心部て停止することはできない。この場合は、ただ通過することになる。仮に往復50年で地球に帰ってきたとしよう。その時は地球で待っているはずの双子の兄弟の一人は、この世にいないし、地球があるかどうかも定かではない。たった50年が地球の時間では途方もない時間が経過している。何年が経過した、ということまで計算で出すことができる。これはSFでも夢物語でもない。学問的に立証されていることである。その根本にはアインシュタインの相対性理論がある。もっとも現在、光速で動くことのできるものはないし、光速を超えることもできない。そういう意味では夢物語かもしれない。
人間が作り出したもので最も速く動き続けているのはボイジャー宇宙船である。現在は太陽系の外に出ようとしている。木星の衛星イオの火山を発見したり、外惑星には総じて環があることを発見したりとその功績は大である。秒速30Kmで広大な宇宙を現在も旅している。
双子のパラドックスの光速宇宙船に乗る片割れは、夢の世界の若さ溢れる自分で、それを客観的に見ている、もう一人の自分は、それを欲する歳老いた現実の自分である。