12歳のときに初めて買ったレコードが加山雄三の「君といつまでも・夜空の星」のシングルレコードでした。
330円でした。

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この時から加山雄三は私の若大将になりました!
若大将は既に80歳を超えています。
昨年、コンサートを聴きに行きました。
80歳を過ぎて、まだ歌を歌えるということが驚異的なことです。
もちろん、声は衰え往年の響きはないのですが、若大将がそこで歌を歌っているというだけで満足できるのです。
彼の歌を聴くと、その時代の自分の在り様が、鏡を見るようにまざまざと蘇って来ます。
それはピュアな感覚で、加山雄三その人と純粋な自分がマッチしてスポットライトを浴びるように輝いているのです!
そして一緒に彼の歌を歌っている自分がいます!
私にとっては幾つになっても輝ける若大将なのです。


小椋佳の歌を初めて聴いたのは17歳の高校生の頃です。
顔は分からないが、声はナイーブで、これまで聴いたことのない、日本の原風景が見えて来るような歌詞とメロディーが印象的で、一度聴いて、もう耳から離れない音楽となりました!
青春真っただ中の高校生の心を鷲掴みにするような魅力が音楽に溢れていました。
それは決して加山雄三のような明るさではありません。
孤独を愛する青春を包み込むような哀愁で溢れていたのです!

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この対照的な私の音楽の憧れは、相反するものです。
加山雄三が太陽なら小椋佳は月です。

加山雄三に求めるものと小椋佳に求めるものは180度違うのです!

最近の小椋佳の在り様は私としては容認できるものではありません。
青春のシンボルのような感覚があり、小椋佳の歌を聴きながら心の平穏を得ました。
既に声は出ず、往年の歌声は皆無です。
生前葬コンサートを開催し、余生コンサートまでしました。
この期に及んでまだ歌うのでしょうか?
もう葬式は済んだはずです!
小椋佳に優しくなれない自分がいて、そういう自分をも許せなくなってきます。
もうゆっくり休んで欲しいと願っています。

加山雄三に対する想いは、まったく違います。
コンサートでの声は、もちろん往年の声は望めませんが、その歌う姿を見ると元気が出ます。
若大将ガンバレ、と思わず叫んでしまいます。

加山雄三には歌を通じて、生きることそのもの、今生きている自分を重ねることができます。

失礼とは思いますが、現実と観念ということで加山雄三と小椋佳を区別できるかもしれません!

私にとってはどちらの芸術家も心を支配する素晴らしい音楽家なのです!