私は大学を卒業して1976年から2002年まで27年間、サラリーマンをして来ました。
その後の、16年くらいは、自営をやったり、非正規雇用で働いたりしています。

今の20代〜50代の非正規雇用者を多く見て来ています。
労働条件は惨憺たるものです!

私がサラリーマン現役の頃は、毎年定期昇給があり、その他にベースアップもあり、万単位で給料は上昇して行った時代です。

私は、仕事が他者よりも優れて出来るというほどのものではありませんでしたが、27年の中では、それなりに重要なポストで仕事をして来ました。

自分のしている仕事に対する情熱は誰にも負けない自負心があり、愚直に仕事をして来ました!(爆)

大企業の傘下にあり、将来に何の不安も持っていませんでした。
20年も務めれば基本給は30万円を超え、基準内賃金の他に、手当てが3ヶ月おきに付いて、40代半ばには年収800万円を超えます。
3月決算手当、6月ボーナス、9月薪炭手当、12月ボーナスというような手当です!
管理者は1千万円もあたりまえの時代でした。

組合と経営側が妥協しながら手を取り合って進んでいた時代です。
働き過ぎは一番の問題になりました。
とにかく時短です!(笑)
何の記録にも残らない内緒の休みが3日間ありました。
とにかく休めと半ば強制的に休まさられるのです!
勿論、給料が減らされることはありません。
非正規雇用と違うところは、年休日数は厳然とあり、その日数分は休みが保証されています。
土日祝日は休むのが当たり前で、休んだからといって給料が減らされることはありません。
逆に出勤すれば100分の130の割増金が出るのです!

今の非正規雇用は、土日祝日関係なく、時給が決まっていて、1日出れば幾らの計算です。
企業側にとってはこれほど好都合な雇用はありません。

日本の終身雇用制とは、社員は家族同然で、定年までなにかと面倒を見たものです。
それだけ社員一人一人には資本が掛かるのですが、社員もそれに応え、身を粉にして働くことを喜びとしていたことも間違いないでしょう!
こういう雇用体制は、製造業では素晴らしい製品を生み出す原動力になるものです。
今の日本は、雇用制度が割り切りになったせいで、世界をあっと言わせる商品が生み出せなくなっています。
他国が作る製品の部品供給国家に変貌してしまいました!

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小泉純一郎元首相と竹中平蔵コンビが「働き方改革」の名のもとに様々な規制改革を実施した結果が今の非正規雇用を増大させたことは間違いのないことです。
それが今の日本経済にプラスなのかマイナスなのかは短絡的には判断できません。
昔を知っている私としては、容認できない経済体制であることは否めません。

定期昇給こそ微々たるものですが、正社員にはボーナスもあり、1日働いて幾らという非正規雇用者とは雲泥の差です。

非正規雇用者には時給幾らという概念だけがあり、とにかく昼夜問わず働くことで、金を稼ぐという現実しかありません!
今働いている非正規雇用者に怒られそうですが、見ていて気の毒になってしまいます。

私も今は非正規雇用者です。
いわゆる契約社員です。
しかし、現役サラリーマンをさんざんやって来た身には、この非正規雇用という体系が気が楽で良いのです。
もう余勢で仕事をしているようなものです。
会社には、殆ど何も望みません。
働いた分の給料が出ればそれで良いのです!(爆)

しかし、若い人にはこれで良い訳はありません。
無理のない、きっちりとした労働条件のもとに、一定の給料が支給される、正社員の道を模索すべきです!
それは簡単でないことが現実でしょう。
しかし、諦めては前に進めません。

肉体を駆使することが国家の経済を富ますことは決してありません。
個人の寿命を縮めるだけでしょう!

負のスパイラルから抜け出せていない日本経済を非正規雇用者が底辺で支えていることに違いはないのですが、それを見込んで労働条件の規制改革を実施してきた政治には失望しています。

結婚もできず、家も持てず、長期の経済設計を描くことができず、ただただその日を平穏に終えるために一生懸命に稼がなければならない非正規雇用者に燦々と日があたるようにすることが政治に課せられた最大の課題です!