私が最初に北欧ミステリーに触れたのは、スティーグ・ラーソン原作のミレニアム三部作=ドラゴンタトゥーの女、火と戯れる女、眠れる女と狂卓の騎士=です。
この物語は原作本が世界で驚異的な売れ行きを示し、数千万部を売ったといいます。
最初に映画から入りましたが、私も原作を読みました。
映画では描き切れない部分が原作にはあり、映画よりも深く物語に入ることができ、面白さも格別でした。
スティーグ・ラーソンは40代で早世してしまい、原作本の大ベストセラーを知らずに墓標となってしまいました!

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この物語の主人公リスベット・サランデルはパーソナリティー障害の持ち主で、人との接し方が全くダメで、人を傷つけることにおいては天下一品です!(笑)
しかし、頭が良く、ハッカーでそれを利用してセキュリティー会社で人物調査のアルバイトをしたりしています。
読者や映画の視聴者には、彼女の好き嫌いがハッキリと出るような灰汁の強さがあります。
物語の彼女に何とも言えない魅力を感じてしまった読者や視聴者は、きっと何度同じ原作本を読み、映画を見ても飽きるということがなくなるのです!
そういう意味で不思議な魅力を持っています。
しかし嫌いな人は、「なんだこの女は」とリスベット・サランデルを一蹴してしまうでしょう!
いずれにせよ、話題を生むだけの素晴らしさを持った北欧ミステリー隆盛の発端となった原作本や映画なのです!
まだ、映画をご覧になっていない方は、ぜひ北欧ミステリーのテイストを味わってみてください!
ハリウッドのリメイク版ではダメです。
スウェーデン・デンマーク合作のオリジナル版です。

次に大ヒットしたのが、THE KILLINGです。
主人公は、コペンハーゲン警察の刑事サラ・ルンドです。
正義感が強く、諦めることをしらず、とことん粘って、難事件を解決に導きますが、上司の言うことに従うような組織捜査はできず、それが原因で相棒を死に追いやってしまいます。
捜査にのめり込みが激しく、恋人も家族も、刑事の職までもすべて失ってしまうのです。
これもある意味パーソナリティー障害と言えるでしょう!

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シーズン3で終わってしまいましたが、まだまだ先が見たい北欧ミステリーの傑作です。

最後は、シーズン3が最近放送されたTHE BRIDGEです。
主人公は、スウェーデンのマルメ県警刑事サーガ・ノレーンです。
彼女のパーソナリティ障害も半端ではありません。
対人的にはすべてストレートで、感情の赴くままの会話しかできません。
人を思いやるということができない障害です。
SEXがしたくなれば、男が集まる飲み屋に行って「私とSEXしない」とお目にかなった男に単刀直入にしか意志を伝えられないのです!
これで障害の程度がどういうものかお分かりでしょう!
しかし、捜査の手法やカンは誰にも真似ができないほど優秀なのです。

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相棒はすべてのシリーズとも、事件がスウェーデン・デンマークにまたがっているので、デンマークコペンハーゲン警察からやって来るのです。
題名のTHE BRIDGEは、スェーデンのマルメとデンマークのコペンハーゲンを繋ぐオーレスン橋から取られています。
橋の長さは、トンネル部分や人工島部分を含めると16Km弱の長い橋です。
シーズン1は、この橋のデンマーク側・スェーデン側にちょうど下半身と上半身が計ったように真ん中に置かれていた殺害死体から始まります。

これらの作品は、秀逸な北欧ミステリーの特徴をよく表した作品群です。
主人公を精神的障害者として描くことが北欧ミステリーの特徴のひとつになっていると強く感じますが、それが不思議と物語に調和して印象的映像を結ぶのです!
見る価値は十分にあります。
まだご覧になっていない方は、ぜひツタヤに行って借りてください。
旧作なので安く借りられます。
2話入ったDVDが1本100円くらいではなかったかと思います。