2f6fd062.jpg「北の零年」を観た。明治3年の<庚午事変>で国(淡路)を追われた稲田家臣団の北海道静内開拓の物語である。本質は「夫を愛しどこまでも信じる妻」と「妻を愛してはいたが時代に翻弄され妻と子を捨てた夫」の物語である。
「人間のどうしようもないところを露にして何の解決策も与えない」ところに芸術の素晴らしさがある。解決はその芸術に触れた個々人が成すことである。
しかし、映画であれ小説であれハッピーエンドを希求するのが人間として自然なことであり、現実としてそのようなものが多い。
そういう意味で、この映画は辛い結末であり、日本女性の民族性を垣間見せるとともに、安易な結末を避け、真の芸術の在り様を示した数少ない映画である。
日本の文化を世界が理解できるかどうかは疑問だが、「愛」については共通であろう。世界の人々に観ていただきたい数少ない日本映画である。

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