53ad3cf9.GIFドキュメンタリー専門チャンネル「ディスカバリーチャンネル」で航空機ハイジャックによる世界貿易センタービル自爆テロの特集をやっている。
先日の「ユナイテッド航空93便」に続いて、今度は主犯の「M・アタ」が乗った「アメリカン航空11便」の物語である。朝7時台には早くもハイジャックされている。「ユナイテッド93便」の場合と同じように乗員1人に重症を負わせて本気であることを示して、妨害を封じてから操縦席になだれ込みシートベルトで身動きの取れない操縦士と副操縦士を殺害、操縦室に立てこもって、トレイドセンター激突まで客席側には出て来なかった。
この11便も電話は自由に使うことができたので状況は乗員から逐一報告があった。しかし、ハイジャックの目的は分からず、ニューヨークまで飛んで来て、「いったいどうするつもり」と乗員が最後に言ったが、乗客乗員は目的が分からないままトレイドセンターに激突、悲劇が生まれた。
離陸から1時間強の悲惨な物語である。
アタはハイジャックのやり方の詳細を書いたメモを残している。行動を起こすときは奇声を発して、周りに恐怖感を植えつける。自爆するときは怯んではいけない、神が見守っている。共に歌を歌って連帯感(犯人同士=3人までは確認)を深める、等々様々な意気を鼓舞することが書いてあった。そのとおり実行したものと思われる。
流浪の民アラブ、パレスチナの怨念が染み付いている。何がどうあろうと家族と幸せを育んでいる罪なき人々を犠牲にしてどんな言い訳があるだろうか。
激突の一瞬まで、人を思い、家族を思う人間の優しさを垣間見ることができる。同じ人間として、ハイジャック犯と比較した場合のギャップが大きく、人間とは罪な生き物だとも思ってしまう。
二度と見たくない激突の場面である。

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