映画音楽と一口に言っても様々なものがあります。
小学生低学年のときに観た「ウェストサイド物語」や「サウンド・オブミュージック」はミュージカル映画として心に深く印象付けられています。
このような直接的な音楽ばかりでなく、BGMとして印象に残る映画もあります。主題曲ということになるのでしょう。ここ数年の映画の中では「ブラザーフッド」の主題曲が最高でした。この映画を観たときに思ったのはスピルバーグの「プライベイトライアン」に影響を受けていることは明らかですが、完全に韓流に負けたと思った映画でした。映画も主題曲のオーケストレーションも素晴らしかった。
ちょっと古い映画になりますが、私が映画音楽の中で一番印象に残っているのは、「砂の器」の主題曲ピアノ協奏曲「宿命」です。千住明さん作曲の2楽章まである立派なピアノ協奏曲です。ただの主題曲ではなく、映画のラストで、新進作曲家「和賀英良」が作曲しそのお披露目コンサートで自身が弾く哀愁たっぷりの旋律が彼が背負ってきた人生と罪を象徴するように響きます。
実際は今は亡き羽田健太郎さんの演奏です。物語の中で実際に演奏される主題曲も珍しいと思いますが、芸大出身の著名な作曲家のピアノ協奏曲が使われたということも稀なことでした。哀愁を帯びた旋律は映画の情景にぴったりフィットしてこれ以上のものはないと思わせます。よく聴いている映画音楽です。