48eb82a7.jpeg昭和48年、大学2年の時は中山に住んでいた。6畳1間の間借りである。
競馬場の側ということもあって、大家の若旦那が競馬に熱心だった。勧められるまま初めて馬券を買ったのがその年のダービー、ハイセイコーが皐月賞を征し、破竹の勢いだった。当然、ハイセイコーがらみの連複である。本命特券1枚であった。
実際はテレビで観戦したが、そのときの模様を物語風に詩にしたものがあるので掲載する。

<東京優駿>
瞳に鮮やかな緑が眩しい
広大な施設の
生垣の向こうでは
優駿が駈けている

今日は5月の最終日曜日
東京優駿だ

君との思い出のデートは
競馬場の真ん中の芝生の絨毯

君の作った弁当を頬張る

清々しい空気と
青と緑と亜麻色の
空と地上と優駿が
ベストマッチング

5月の爽やかさを
際立たせている

期待を背負い
ハイセーコーは駈けた

健気な君の想いに似て
一途な疾走に胸熱くする

第四コーナーから
ゴールへ一直線
誰もが勝利を信じて疑わない

君も僕も大歓声
身体が鯉幟のように揺れている

ゴール目指して
凄い末足で迫る細身の雄姿
タケホープだ

あっという間に
ハイセーコーを振り切り
ゴールを駈け抜ける

ハイセーコーは敗れた
歓声がどよめきに変わる

君も僕も暫し言葉にならない
繋いだ手にギュッと力を込める

ハイセーコーのどっしりとした馬体が
うつむく仕草に心なしか小さく見える

約束された勝利も
運命に逆らうことはできない

果たして君と僕の運命は
 
5月の爽やかさは
何事もなかったかのように
変わらない

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