87f1c06a.JPG5月病の時期が来た。この連休が終わって3週間の内に、この病は発病することが多い。
人間はプライバシーが侵されるのを極端に嫌う。家にいても自分の部屋を持ちたがる。子供の頃、マイホームに住むことになって、一番嬉しかったのがマイルームを得たことである。家ならマイルームでも一人ではない。部屋を出れば家族がいる。人間は可笑しな動物で、プライバシーは欲しいが孤独は嫌いなのだ。我侭勝手な存在である。
日本では4月が新年度、様々な旅立ちがあり住環境が変わってしまうことが多い。学生であれ社会人であれ、一人暮らしを強いられることが多いのだ。
殆どは、一人暮らしに心弾ませる。一人ということが、「自分の好きにできる」と勘違いをしてしまうのだ。学校から、仕事から帰れば確かに一人である。気侭にテレビを見て、パソコンでネット三昧、寝る前に読書もしよう。ああ、気楽でいいぞ!しばらくは自分の好きにでき、快適に感じるのだ。
そのうちふと気づく。夜に話し相手がいない。文句を言い合える家族がいない。友達のような関係ではなく、気侭を言える相手がいないのだ。何が原因か分からないが、強烈な寂しさが襲って来る。50日もすると、孤独の虫が動き出すのだ。
映画を見ても、その場は凌げてもまたすぐ寂しくなる。会社では慣れない仕事に緊張を強いられている。学校では、授業を受け、友達もできるが、アパートに帰れば一人である。
家族に会いたい、家に戻りたい。しかし、そうそう帰れるわけでない。学生なら数ヶ月は帰れないのが普通だ。社会人なら、恥ずかしさもあって、そうそう帰れない。
欝が続いてしまう。
学生なら1日中、人と接する機会を設ければいい。何か没頭できるサークルに入るのがいい。仲間と夕食を作りあい、青春の悩みをお互いにぶつけ合えば欝は逃げて行く。
社会人は難しい。何をやるにも、如何ばかりかの利害が絡むからだ。飲み歩いても酒は心を晴らさない。恋人を早く見つけるのが解決の早道だ。うまくいけば異性ほど心を満たしてくれるものはない。失敗すると立ち直るのに時間がかかるが。
熟年に5月病はないが、寂しさは変わらない。家族は心を癒す最も優れた薬のようなものである。飲みすぎると効きが悪くなって、その良さが分からなくなる。しばらく飲まなくなると、心が欲するのだ。夫婦であれ、親子であれ、切っても切れない絆である。

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